2006 Fiscal Year Annual Research Report
第四紀における円石藻Emiliania huxleyiの表現形への種内分化
Project/Area Number |
17740337
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
萩野 恭子 北海道大学, 大学院理学研究院, 博士研究員 (90374206)
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Keywords | 層位古生物学 / 古環境変動 / 第四紀 |
Research Abstract |
約27万年前に出現した円石藻:Emiliania huxleyiは,過去8万年間の地球の海洋植物相を代表するプランクトンの1種である.同種には,コッコリスの形態変異に基づいて認識できるいくつかの表現形が存在し,その表現形組成は海域によって異なっている.近年の研究の結果,このEmiliania huxleyiの表現形間には遺伝的な相違があることが明らかになった.しかし,Emiliania huxleyiの表現形への分化(進化)の詳細と環境因子との関連は不明のままである. Emiliania huxleyiの表現形への分化(進化)の詳細と古海洋環境変動との関連を解明するために,本年度は以下の研究を行った. 1.IODP Exp.306によって,北大西洋の北緯40-60度から採取された深海底コア堆積物試料中の高解像度の微化石年代決定を,偏光顕微鏡観察に基づいて行った. 2.同研究海域における円石藻化石群集の変遷を,微化石試料の偏光顕微鏡観察に基づいて行った.本科学研究費補助金で購入した顕微鏡用のカメラを用いて化石の写真を撮影し,カタログを作成した.コッコリス化石群集組成の変遷に基づいて,北大西洋における過去27万年間の亜熱帯収束前線の動向の概要を把握した. 又,Emiliania huxleyi化石の表現形組成の時系列変化を解明するために,1試料当たり100個体のEmiliania huxleyi化石の形態測定を,走査型電子顕微鏡を用いて行い,表現形の組成を統計学的手法を用いて解析した.
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