2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740345
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
松影 香子 茨城大学, 理学部, 講師 (80343078)
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Keywords | 含水珪酸塩メルト / 密度 / 圧縮率 / 地球上部マントル / 高温高圧実験 / マルチアンビル型高温高圧発生装置 |
Research Abstract |
本研究の目的は、地球マントルの主要5成分(SiO2、Al2O3、MgO、FeO、CaO)-H2O系のメルトの密度と圧縮率を高温高圧下(地球内部条件下)で測定し、その結果と地球マントルを構成している固体の密度と圧縮率を比較することによって、地球内部での物質移動の実際を理解することである。本年度は、必要な実験道具と実験に必要な消耗品をそろえ、実験可能なセル開発を行い、東京大学物性研究所の二段式マルチアンビル装置を用いて加圧加熱実験を行った。その結果、本研究に必要な最高温度まで加熱するのに、物性研の加熱装置の出力では不十分であることがわかり、現在、装置、セルの改良中である。 本研究がターゲットにしている成分のうち、現在までの実験で、H2O、FeOに加え、MgO、SiO2成分のメルトの密度や圧縮率に対する寄与がおおよそ見積もられた。その結果、 A_i=V_<i(latm)>/V_<i(l4GPa)> としたとき、A_<SiO2>=〜1.5、A_<MgO>=〜1.1となり、H2O(A_<H2O>=〜3.7)にくらべて、圧縮率が小さくなることがわかった(Matsukage et al.,2005,Nature)。 メルトの密度測定の実験と並行して、地球上部マントルで珪酸塩メルトと共存する固体の代表である、かんらん石の密度を求める実験も行った。かんらん石は室圧の熱膨張率と室温の圧縮率は過去の研究で良く求められているが、実際の地球マントルに相当する高圧での熱膨張率は良く決まっていない(Matsukage et al.,2005,JGR, Table1参照)。しかし、珪酸塩メルトの地球深部での振る舞いを理解するためには、共存するかんらん石の熱膨張率を知ることが不可欠である。かんらん石の密度測定にはSPring-8における放射光X線とマルチアンビル装置を用いた。その結果、10GPa、1600℃までの広い範囲で、密度を測定することができた。この結果については現在論文を作成中である。
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Research Products
(4 results)