2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740357
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊藤 正一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 学術研究員 (60397023)
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Keywords | 宇宙化学 / 地球化学 / 宇宙物理 / 惑星起源・進化 / 同位体顕微鏡 / 二次イオン質量分析計 |
Research Abstract |
本研究では、数多くの様々な種類の始源的隕石の構成物質を研究することにより、初期太陽系全体を捉えだよりグローバルなスケールから議論することが重要であると考えている。本研究テーマである「初期太陽系の短寿命核種の起源解明」では、隕石を構成している物質であるマトリクス、コンドリュールそして、難揮発性包有物の短寿命核種の分布を明らかにし、酸素同位体組織学、岩石学的組織と組み合わせることで初期太陽系における時間軸を詳細に議論することを目的としている. 今年度は主に現有の北海道犬学設置の同位体顕微鏡(2005年10月東京工業大学から移設)の改良に重点を置いた。より多くの試料を作業効率よく分析するための同位体顕微鏡システムを試作した. 成果発表としては、以下を行った. (1)初期太陽系における短寿命核種の起源解明のための従来の研究成果、及びこれまでの研究成果をまとめた会議Chondrites and the Protoplanetary Diskにおいて、研究テーマであるコンドルールと難揮発性包有物の形成関係に注目したレビューをまとめ、proceeding(査読有り)で論文を発表した(Russell et al., 2005). (2)初期太陽系における酸素同位体の進化を議論する会議Workshop on Oxygen in the Earliest Solar Systemにおいて、同位体顕微鏡を使った従来の研究の難揮発性包有物における酸素同位体め結果をまとめた(Yurimoto et al., 2005). (3)第37回月惑星会議において、普通コンドライト及びEnstatiteコンドライト中のマトリクスについて、北海道大学設置の同位体顕微鏡システム(2005年10月東京工業大学から移設)を適応し、星間物質(presolar silicate等)を同定し、隕石間の存在度の違いを議論した(Tonotani et al., 2006;Ebata et al., 2006).
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