2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740364
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井 通暁 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00324799)
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Keywords | 電気推進 / プラズマスラスタ / ホール効果 / 回転磁場 |
Research Abstract |
本年度は、回転磁場用高周波電源の開発、平面型回転磁場発生用アンテナの設計、試作を行い、プラズマ生成実験を行った。IGBTを用いたインバータ回路をコンピュータ制御することによって、稼動中に周波数・ディーティ比・さらには系統間の位相差を変化させることのできる高周波電源を開発した。この電源によるプラズマ生成能力を、アークジェットスラスタ装置を用いて検証した。さらに、負荷を直列共振回路とすることによって、最大で2kV、20A程度の高周波をアンテナに印加できる電源を2組作成した。回転磁場発生用アンテナとしては、8の字型コイルを採用した。これにより、厚さ3cmほどの領域に効率的に回転磁場を生成できる。2組の回転磁場発生用アンテナ、径方向バイアス用コイルおよびプラズマ保持用管によって構成したスラスタ本体を大型真空チャンバー内に設置し、プラズマ生成およびパラメータ測定実験を行った。推進ガスとしてはArを使用し、質量流量は23mg/sとした。アンテナに833kHz、20A程度の電流を流すことによって、電子密度n_e>10^<18>m^<-3>の高密度プラズマの生成に成功した。プラズマの生成と同時に、スラスタ本体が後方に移動する現象が観測され、本装置によって推力が得られていることが確認できた。また、プラズマ保持管内部の電子密度分布が、バイアス磁場の極性および強度に依存して変化する現象が観測された。これは、回転磁場とバイアス磁場との相互作用の存在を意味しており、本研究で提案している動作原理が合理的であることを間接的に示唆するものである。
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