2005 Fiscal Year Annual Research Report
異常粘性をもつプラズマの回転流に伴う不安定性に関する研究
Project/Area Number |
17740371
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
吉村 信次 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (50311204)
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Keywords | プラズマホール / 渦形成 / 流れ構造 / E×Bドリフト / 遠心力 / HYPER-I装置 |
Research Abstract |
本研究の目的は,異常粘性をもつプラズマの回転流に伴う不安定性について磁化プラズマ中の渦の一種であるプラズマホール構造を用いて実験的に研究することにある.流れのシアーや急峻な密度勾配・電場は様々な不安定性の励起をもたらすが,今年度は流れのシアーの正確な評価のために詳細な流速場の測定および解析を行った.実験は直線型高密度プラズマ発生装置HYPER-Iを用いて行った.方向性ラングミュアプローブを用いた流れ計測によって,超音速の回転流が形成されていることがわかった.この回転流の形成メカニズムを明らかにするために,非線形項を含めた流体方程式の解析を行った。通常,実験室プラズマの回転は磁場に垂直な径方向電場によるE×Bドリフトと考えられる.ここで,非線形項からくる遠心力と動圧の効果を考えると,周方向流速を与える式は二次方程式となり,純電子プラズマの場合と同様に二つの解が現れる.ひとつはE×Bドリフトに補正がかかったものだが,もうひとつの解は遠心力とローレンツ力のつり合いをあらわす.プラズマホールの場合,中心部では遠心力とローレンツ力が,周辺部では電場とローレンツ力がつり合うことによって流れ場が形成されていることがわかった.言い換えれば,中心部では遠心力が,周辺部では電場が本質的な役割を担っている.プラズマと大気の運動を比べると,ちょうど圧力とポテンシャル,コリオリ力とローレンツ力が対応する関係になっている.プラズマホールの流れ構造は中心部で遠心力が優勢となっているという点で台風のものと類似性があり,これは回転流体が示す普遍的な特徴のひとつということができるだろう.
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Research Products
(2 results)