2005 Fiscal Year Annual Research Report
大振幅プラズマ波における自己組織化、粒子加速とその応用
Project/Area Number |
17740373
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
長谷川 裕記 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球シミュレータセンター, 研究員 (60390639)
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Keywords | プラズマ / 非線形波動 / 無衝突衝撃波 / 磁気音波 / 粒子加速 / 計算機シミュレーション / 宇宙線 / 自己組織化 |
Research Abstract |
磁化プラズマ中の大振幅波における粒子加速について、理論とシミュレーションにより研究をおこなっている。今日までの研究で、電子・陽電子・イオンプラズマ中を伝播する斜め磁気音波衝撃波によって、陽電子が、超相対論的なエネルギーにまで加速されうることがわかっているが、本年度は、空間1次元・速度3次元の相対論的電磁粒子コードを用いて、そのような加速陽電子の長時間の振舞いについて調べた。その結果、一旦、加速が停滞した後に、再び、エネルギー増加に転じることを見出した。シミュレーションでは、その終了時において、Lorentz因子の値が2000程度にまで達した陽電子を観測した。そして、エネルギー増加が復活した後の加速機構には、3つの異なる型が現れることがわかった。1つ目は、加速が停滞する前の加速機構と同じく、外部磁場とほぼ平行方向に加速されるものである。2つ目は、高速イオンの多段加速の理論によって説明されるものである。3つ目は、ハイポトロコイド状の軌道をとって加速されるもので、本研究によって、新しく見出された加速機構である。 さらに、本年度は、並行して、空間3次元の相対論的電磁粒子コードの開発を進めた。本コードでは、電流密度の計算部分に、電荷が厳密に保存されるアルゴリズムを取り入れている。また、並列処理言語のひとつであるHigh Performance Fortranを用いている。本コードの開発では、ベクトル計算、ノード内共有並列計算、ノード間分散並列計算、以上三階層型の計算処理を取り入れ、ベクトル並列型のスーパーコンピュータに最適化された、演算効率の高いコードの完成を目指した。
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