2006 Fiscal Year Annual Research Report
ハライド及びチオラト配位子で架橋された銅並びに銀一価多核錯体の合成と発光
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17750046
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柘植 清志 北海道大学, 大学院理学研究院, 助手 (60280583)
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Keywords | 発光性銀(I)錯体 / 発光性銅(I)錯体 / 銀ハライド錯体 / 銅ハライド錯体 / 発光励起状態 / 発光エネルギー制御 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、{M_2(μ-X)_2}骨格(M=Ag,Cu)を持つ錯体の発光性について系統的な研究を行った。 1.[{Ag_2(μ-X)_2(PPh_3)}_2(L)_nl錯体の発光性の解明 前年までに合成したbpy,bpe,py bpa,ampym,ampyz錯体について、室温から液体窒素温度まで発光スペクトル及び寿命測定を行った。L=bpy,X=Clの錯体では、室温でXLCT型の発光を示すが、低温ではX=I,Brと同じく振動構造を持つbpy由来のリン光を示すことが明らかとなった。これらの錯体では、^3XLCTと配位子の^3π-π^*状態が近接しており、架橋ハロゲノ配位子の選択により、3XLCT状態と^3π-π^*状態からの発光を制御できることがわかった。またampyz錯体では温度によって、リン光強度と蛍光強度の比が変わり、発光色が温度によって、青から青緑に変化することがわかった。 2.{Cu_2(μ-X)_2}骨格を持つ錯体の発光性の解明 本年は、新規の配位子としてbpeを配位子とする錯体の合成を行った。この錯体はbpe由来のリン光を示し、^3π-π^*遷移が低エネルギーである場合には、銅錯体でもMLCT発光ではなく^3π-π^*遷移からの発光が観測されることを明らかにした。この系では、Cu-Cu相互作用からの発光が観測されていることが知られており、配位子の選択により、Cu-Cu相互作用由来、^3MLCT状態由来、^3π-π^*状態由来の発光を示す化合物を合成できることが明らかとなった。 3.混合金属錯体の合成と発光性 bpyを配位子とする銀錯体と銅錯体が同形であることを利用して、混合金属錯体の合成を行った。その発光性を検討したところ、Ag発光単位からCu発光単位へのエネルギー移動が高効率で進行することが明らかとなった。またX=Iの錯体では、混合金属化により、Cu発光サイトの量子収率の向上が見られた。
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Research Products
(2 results)