2007 Fiscal Year Annual Research Report
ハライド及びチオライ配位子で架橋された銅並びに銀一価多核錯体の合成と発光
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17750046
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柘植 清志 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 助教 (60280583)
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Keywords | 発光性銅(I)錯体 / 発光性銀(I)錯体 / 鎖状混合金属錯体 / エネルギー移動 / 強発光性 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、{M_2(μ-X)_2}骨格(M=Ag, Cu)を持つ錯体の発光性について系統的な研究を行った。 1.Cu/Ag混合金属錯体の[{(Cu_xAg_(1-x)}_2(μ-X)_2(PPh_3)}_2(bpy)]錯体の発光性の解明 同形構造を利用して前年度までに合成したCu/Ag混合金属錯体の発光性について更に検討を行った。銀発光性錯とから銅発光性サイトヘエネルギー移動が高効率で進行していることを明らかにしていたが、本年は理論的な解析を行い、一次元鎖状におけるエネルギー移動速度について定量的な議論を行った。その結果、同一金属の発光サイト間では速いエネルギー移動が進行し、Cu/Ag発光サイト間ではAgサイトからCuサイトへの移動速度が10^7s^<-1>程度、CuサイトからAgサイトへのエネルギー移動速度10^3s^<-1>程度であることがわかった。この速度の差により混合金属錯体の発光性が、Cu濃度に非常に敏感に応答して変化すると考えられる。 2.{Cu_2(μ-X)_2}骨格を持つ混合ハロゲノ錯体の合成とその発光性の検討 前年度に合成した混合金属錯体は、一次元鎖状にヘテロの発光サイトが並んだ高分子錯体であり、この錯体の発光性の検討により、鎖状錯体内でのエネルギー移動について明らかにすることが出来た。本年は、同様のヘテロ発光サイトを持つ錯体として、混合ハロゲノ錯体[{(Ag_2(X_xX'<(1-x)>_2(PPh_3)}_2(bpy)]の合成を行った。Bpyを配位子とするAg錯体は、クロロ錯体のみ、構造、発光性がヨウ化物錯体、シュウ化物錯体と異なる。混合ハロゲノ錯体を合成した所、ハロゲン比により構造がヨウ化物型の構造から塩化物型の構造に変化することがわかった。また、発光性も連続的に変化するのではなく構造に対応して不連続に変化することがわかった。また、発光寿命の検討から、これらの混合ハロゲノ錯体においては鎖内で高効率のエネルギー移動が進行していることがわかった。
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Research Products
(1 results)