2007 Fiscal Year Annual Research Report
複合機能性スピンクロスオーバー錯体における光誘起物性変換
Project/Area Number |
17750048
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
二瓶 雅之 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (00359572)
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Keywords | スピンクロスオーバー錯体 / 光応答性分子 / 複合系 / 多重安定性 |
Research Abstract |
鉄(II)スピンクロスオーバー(SC)錯体は、低スピン(LS)・高スピン(HS)状態を熱、光、圧力等の外場により可逆に変換可能なことから、分子スイッチとしての応用が期待される物質系である。しかしながら、SC錯体と他の物性を共存させることによる、複合系に関する研究例は未だに多くない。本研究では、分子性導体にSC錯体を導入することで伝導性一SC複合電子系を構築し、熱・光といった外場により電気伝導性を変換することを目的とした。具体的には、(1)鉄(II)SC錯体一分子性導体からなる複塩の合成、(2)TTF部位をもつSC錯体と分子性導体が連結された複合系の構築。まず、SC錯体カチオン([Fe(dppH)_2]^<2+>)とNi錯体アニオン([Ni(mnt)_2]^1)が1:2の組成をもつ複塩[Fe(dppH)_2][Ni(mnt)_2]_2 MeNO_2(1)を合成した。構造解析および磁化率測定から、錯体1は降温・昇温過程においてそれぞれ、高温相(200K↓)、低温相(140K↓)、準安定相(210K↑)の三つの相をもち、転位温度174Kにおいて鉄(II)イオンとNi錯体アニオンの相乗的構造・磁器相転位を観測した。一方、TTFドナー部位をもつ新規配位子dppTTFを用い[Fe(dppTTF)_2][Ni(mnt)_2]-2(BF_4)・PhCN(2)を合成した。2の温度依存磁化率および電気伝導度測定において、SCの構造・磁性変化と電気伝導性に明らかな相関が観測され、SCと電気伝導性との相乗的性が示唆された。
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Research Products
(12 results)