2005 Fiscal Year Annual Research Report
エチニルカチオンを架橋配位子としてもつ遷移金属クラスターの化学
Project/Area Number |
17750051
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡崎 雅明 京都大学, 化学研究所, 助教授 (20292203)
|
Keywords | 鉄 / クラスター / 官能基化 / 遷移金属 / 炭素 / エチニルカチオン / ハロゲン化 / 単結晶X線構造解析 |
Research Abstract |
(η^5-C_5H_4Me)_4Fe_4(HCCH)_2とNBS(N-ブロモコハク酸イミド)との反応を検討した。1当量のNBSとの反応では1電子酸化反応が進行し、[(η^5-C_5H_4Me)_4Fe_4(HCCH)_2]^+(1)が得られた。さらに、NBSを添加していくことで、アセチレン水素が段階的に臭素化され、[(η^5-C_5H_4Me)_4Fe_4(HCCH)(HCC-Br)]^+(1-Br),[(η^5-C_5H_4Me)_4Fe_4(HCC-Br)_2]^+(1-2Br),[(η^5-C_5H_4Me)_4Fe_4(HCC-Br)(Br-CC-Br)]^+(1-3Br),[(η^5-C_5H_4Me)_4Fe_4(Br-CC-Br)_2]^+(1-4Br)を合成単離することに成功した。1-Br,1-3Brおよび1-4Brについては、単結晶X線構造解析により、その結晶構造を明らかにした。また、同様な反応をNISを用いて行うことで、ヨウ素類縁体の合成にも成功した。1-Brをアセトニトリル(AN)中、銀塩AgOTfと反応させると、ブロモ基が引き抜かれ、[(C_5H_4Me)_4Fe_4(HCCH)(HCC-AN)]^<2+>(1-AN)が得られた。また、その構造を単結晶X線構造解析により明らかにした。1-ANでは、エチニルカチオンフラグメント部位にアセトニトリルの窒素が配位安定化した極めて珍しい構造をとっていることが明らかとなった。さらに、種々の基質との反応性研究から、エチニルカチオン部位は、高い求電子性を示すことが明らかとなり、四鉄上において、アセチレンフラグントの求核試薬による化学修飾が可能であることを示した。
|
Research Products
(5 results)