2005 Fiscal Year Annual Research Report
希土類金属を含む新しい積層化合物の探索と物性に関する研究
Project/Area Number |
17750053
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
道岡 千城 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70378595)
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Keywords | 電荷密度波 / 希土類金属化合物 / 低次元磁性 / RKKY相互作用 / 核磁気共鳴 |
Research Abstract |
希土類金属を含む積層化合物において、新奇物性の探索を目指し、LaTe_3,CeTe_3の単結晶育成またRSe_2(R=希土類金属)の単結晶を作成し、基礎物性及びNMRにおける^<125>Te核のナイトシフト、核スピン-格子緩和時間の測定を行い、その微視的な性質を明らかにした。特にCeTe_3においてCDW状態にあるTe層の微細構造を有するナイトシフトをはじめて観測し、CDW歪による格子変調を用いてRKKYタイプのトランスファード超微細磁場を明らかにした。CeTe_3は歪んだ岩塩型をスライスしたCeTe層と二枚のTe層が交互に積層した構造を有する。磁性絶縁層であるCeTe層のTe核のNMR信号はシャープであり、ナイトシフトは帯磁率にスケールする。一方、2000K以上のCDWによる格子変調を受けた電気伝導を担うTe層での信号は3つの特異点を中心に広がりを有し、またその広がりは温度の低下と共に大きくなる。そのナイトシフトの分布は負から正へと大きく、ほとんど等価なサイトとしては非常に特異な現象である。これは3価のCeからの磁気モーメントの寄与(χ(q))がRKKYタイプで振動し、CDWによるTeサイトにおける僅かな歪みが、そのトランスファー磁場をプローブした結果であると考えられる。これまで挿入した不純物サイトの周りに発生する交番磁場などでRKKYタイプのχ(q)の振動が観測された例はあるが、純粋な化合物においてNMRを用い直接的なχ(q)振動の観測は初めての例であると考えられる。現在TeサイトのSb置換によるCDW構造の違いを反映した物性の変遷について研究を継続している。
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