2005 Fiscal Year Annual Research Report
全内部反射蛍光法による超臨界二酸化炭素/水界面吸着分子の直接計測と状態分析
Project/Area Number |
17750067
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
大橋 朗 茨城大学, 理学部, 講師 (50344833)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 界面 / 吸着 / 蛍光 / 反射 / 直接測定 |
Research Abstract |
グリーンケミストリーへの社会的関心が高まるなか、近年有機溶媒にかわるグリーン溶媒として超臨界二酸化炭素(SC-CO_2)を用いた超臨界流体抽出法(SFE)が注目されている。SFEによる金属イオンのキレート抽出挙動を検討する際、SC-CO_2/水間のキレート試薬の分配定数や界面への吸着定数はSFEにおける抽出機構を明らかにする上で重要である。本研究では多くの金属との錯生成能を持ち、液液系における比較可能な抽出データが豊富に存在する8-キノリノール誘導体について、SC-CO_2/水間の分配挙動や界面吸着挙動に及ぼすSC-CO_2の圧力の影響等を明らかにすることを目的とする。 まず初めに、SC-CO_2/水系における基礎的データを収集するために種々の8-キノリノールのSC-CO_2/水間の分配挙動を測定した。異なる圧力における分配定数を求め、CO_2密度と分配定数の関係より、それぞれの8-キノリノール誘導体のCO_2分子による溶媒和数を明らかにした。また、8-キノリノール誘導体のSC-CO_2/水間の分配に対して正則溶液論を適用し、CO_2低密度領域で溶媒和クラスター形成の可能性を明らかにした。 ペンダントドロップ法よってSC-CO_2/水界面への8-キノリノール誘導体の吸着挙動を明らかにすることを目的とし、界面張力が測定できるセルを作成した。まずは既に数多くの実験例があるヘプタン/水系で測定を行い、作成した装置で正確に界面張力が測定できることを明らかにした。今後はSC-CO_2/水系での測定に利用し、界面吸着に及ぼす圧力や音頭の影響について明らかにしていく。
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