2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17750080
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原 賢二 北海道大学, 大学院理学研究院, 助手 (10333593)
|
Keywords | 金 / 触媒 / 錯体 / 表面 / 固定化 |
Research Abstract |
三価の金錯体の会合や不均化による触媒の失活を抑えるために金錯体を均一な表面上へ高密度に固定化する手法の開発を行った。固定化を行う基盤となる均一な表面としては主に金表面を用いて検討を実施した。 まず、配位子として含窒素ヘテロ環カルベン(NHC)に着目した。NHC-遷移金属錯体を金表面上に高密度に固定化するために、金表面上におけるアルカンチオールの自己組織化現象を利用することにした。そこで、ジスルフィド部位を有する金属錯体を合成する手法を種々検討した。その結果、ジスルフィド部位を有するイミダゾリウム塩を前駆体として銀カルベン錯体を経由する手法によって目的の金属錯体の合成を達成した。本手法によって固定化可能な金属としては、金、ロジウム、イリジウムについて確認した。さらに他の多様な金属種についても適用可能と思われる。 研究代表者らが近年開発した剛直かつコンパクトで高い電子供与能を有する新規ホスフィン配位子SMAPを金表面上に導入する検討も行った。まず、SMAP末端を有するアルカンチオールの合成手法を開発した。さらに、この分子を用いて形成したホスフィン単分子層がペンタフルオロ金と錯形成することを確認した。同様にロジウム種で錯形成すると、ヒドロシランを用いるアルコールの脱水素シリル化反応において高い1級アルコール選択性を有する触媒が形成した。また、イリジウム種で錯形成すると、ピナコールボランを用いるオレフィンのヒドロホウ素化に高活性な触媒機能が発現した。
|