2005 Fiscal Year Annual Research Report
チオカルボニル化合物の触媒的酸化的脱硫化を伴う合成反応の開発と利用
Project/Area Number |
17750084
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
芝原 文利 岐阜大学, 工学部, 助手 (60362175)
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Keywords | 銅触媒 / 脱硫化反応 / 酸素化 / 環化 / 複素環 / 酸化 |
Research Abstract |
銅触媒を用いる酸素ガスによるチオアミドの脱硫酸素化反応を利用し、カルボニル酸素の重酸素ラベル化をめざした。ラベル化対象分子として、分子内に複数のカルボニル基を持つジペプチドを選び、まずこの分子内に数あるカルボニル基の選択的硫化を検討した結果、Lawesson反応剤をTHF中20時間程度還流することで、分子内のアミド部分のみが硫化することが明らかになった。また、ここで得られた硫化ジペプチドを脱硫酸素化させると、元のジペプチドを収率53%で与えることを明らかにした。この反応を^<18>O雰囲気下で行うと、重酸素ラベル化されたジペプチドを主生成物として与えることが分かった。 一方、銅触媒による酸素ガスを酸化剤として用い、チオアミド窒素上に2-ピリジルメチル基を持つ基質の酸化的脱硫環化反応による2-アザインドリジン合成も検討した。この反応は、反応時間、反応温度および触媒導入量によって、反応後の生成物を作り分けることができ、基質により条件に差はあるが、80℃程度の反応温度で3時間程度の短い反応時間では主に2-アザインドリジンが得られた。これを20時間程度の反応時間にし、触媒量を低く押さえれば同様に2-アザインドリジンが、触媒量がそのままのときには2-アザインドリジン二分子がイオウ原子で架橋されたか合物ビス2-アザインドリジルスルフィドが、さらに反応温度を100℃以上にしたときには、2-アザインドリジルチオールがそれぞれ生成する傾向が明らかになった。ここで得られた2-アザインドリジン誘導体の紫外吸収、蛍光発光スペクトルを測定したところ、イオウ原子が導入されたスルフィドおよびチオールは、対応する母体である2-アザインドリジンそのものと比べると発光強度にはあまり差はないが、発光波長に注目すると約100nm程度の大きな長波長シフトが観測された。
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Research Products
(2 results)