2005 Fiscal Year Annual Research Report
多成分連結反応のためのポリメタル化ペプチド錯体触媒の開発
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17750088
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高谷 光 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (50304035)
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Keywords | ペプチド / 多成分連結反応 / メタル化アミノ酸 / 遷移金属 / 触媒ライブラリー / 超音波 / ゲル化 / ナノワイヤー |
Research Abstract |
申請者らは自在に相互連結が行える遷移金属錯体を用いて構成触媒金属の種類、個数、配列の制御された多核錯体触媒を創出に関する研究を行った。その結果、アミノ酸に遷移金属錯体が化学結合したメタル化アミノ酸の開発に成功し、それらを相互に連結・伸長することによって、ペプチド主鎖上に金属が多数配列したポリメタル化ペプチド錯体触媒を合成する手法、および連結するメタル化アミノ酸の順列・組合せを変化させることによる触媒金属の精密配列制御に成功した。また、それらのメタル化アミノ酸およびメタル化ペプチドの自己組織化によって金属原子の多数配列した超分子構造体を合成することに成功した。 具体的にはグルタミンの側鎖にイミノ配位子とPd,Pt,Ru,Ir等の種々の遷移金属を結合させたメタル化アミノ酸の開発に成功し、これらのメタル化アミノ酸からジメタル化ペプチドやトリメタル化ペプチドを合成することに成功した。また、NMR、CDスペクトルおよびX線結晶解析等の各種測定手法と分子科学計算によって、得られたポリメタル化ペプチドの溶液内での立体構造解析と会合挙動に詳しい検討を行った結果、希薄溶液中では高いヘリックス性を示しているが、高濃度領域および固体状態では顕著なβ-シート様式をとり、アミロイド繊維に類似の繊維原性物質を与えることを見出した。また、これらは超音波を照射することで、溶液を瞬時にゲル化するという特徴を示すことを明らかにし、ゲル中においてもアミロイドおよびコラーゲンに類似の繊維状超分子集合体を与えることを発見した。また、粉末X線回折および電子線回折、AFMを用いた測定によってゲルのミクロ構造について詳細な知見を得ることに成功した。
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