2006 Fiscal Year Annual Research Report
炭素-フッ素結合の新規切断法の開発とその合成化学的応用
Project/Area Number |
17750089
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
寺尾 潤 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (00322173)
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Keywords | フッ化アルキル / グリニャール試薬 / クロスカップリング反応 / アニオン性錯体 / ブタジエン / 有機アルミニウム試薬 / マグネシウム塩 / フッ素-ハロゲン交換反応 |
Research Abstract |
銅触媒及び1-フェニル-1-プロピン存在下、ハロゲン化アルキルを用いるクロスカップリング反応 銅触媒によるハロゲン化アルキルとグリニャール試薬とのクロスカップリング反応は簡便なメチレン鎖構築手法として幅広く利用されている。この触媒系で利用されるハロゲン化アルキルは主に臭化アルキルや対応するトシラート類であり、不活性なフッ化アルキルや安価な塩化アルキル類は利用することができない。今回我々は、添加剤を種々検討する中で、1-フェニル-1-プロピンを用いることにより、フッ化アルキル及び塩化アルキルによるクロスカップリング反応の開発に成功した。本反応はアルコールから容易に誘導できるメシラート類や、2級や3級アルキルグリニャール試薬を用いた場合にも効率よく進行する。 マグネシウム試薬を用いるフッ化アルキルの(sp^3)C-F結合の(sp^3)C-X(X=I, SR, SeR, TeR)結合への変換反応の開発 フッ化アルキルとヘテロ原子官能基を有するマグネシウム試薬との反応により、フッ化アルキルの(sp^3)C-F結合が効率よく(sp^3)C-X(X=I, SR, SeR, TeR)結合に変換されることを見出した。また、同様の条件下、ヨウ化アルキル、臭化アルキルおよび塩化アルキルを用いた場合、反応がほとんど進行しないことを明らかにした。本反応ではS_N1型の反応が抑制され、フッ素原子が結合した炭素上で選択的にヘテロ原子官能基を置換することに成功した。また、HNMR測定により、本反応がS_N2型の反応機構を経て進行していることを明らかにした。本反応は、フッ素と親和性の強いマグネシウムがフッ素に効果的に配位し、その脱離過程を促進しているものと考えている。
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[Journal Article] Pd-catalyzed thiocarbamoylation of terminal alkynes with sulfenamide and carbon monoxide2006
Author(s)
Hitoshi Kuniyasu, Tomohiro Kato, Shigehito Asano, Jia-Hai Ye, Ohmori Takumi, Masaski Morita, Hiroshi Hiraike, Shin-ichi Fujiwara, Jun Terao, Hideo Kurosawa, Nobuaki Kambe
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Journal Title
Tetrahedron Lett. 47・7
Pages: 1141-1144
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[Journal Article] Conversion of a (sp3)C-F bond of alkyl fluorides to (sp3)C-X (X = Cl, C, H, O, S, Se, Te, N) bonds using organoaluminium reagents
Author(s)
Jun Terao, Shameem Ara Begum, Yoshiaki Shinohara, Masahiro Tomita, Yoshitaka Naitoh, Nobuaki Kambe
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Journal Title
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