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2005 Fiscal Year Annual Research Report

ルテニウム-パラジウム二核錯体を用いた高活性Heck反応触媒の開発と機構解明

Research Project

Project/Area Number 17750094
Research InstitutionTokyo Metropolitan University

Principal Investigator

増井 大  首都大学東京, 都市環境学部, 助手 (10315757)

Keywords二核錯体 / 触媒 / 溝呂木-ヘック反応 / ルテニウム / パラジウム
Research Abstract

溝呂木-ヘック反応は有用な炭素-炭素結合形成反応の1つであり、関連するStilleカップリングや鈴木-宮浦カップリング等と共に医薬・天然物合成などにも利用される実用性の高い反応の1つである。本研究では、申請者が既に合成に成功しているルテニウムとパラジウムの2つの金属を同一分子内に持つ二核錯体(以下、二核錯体)が溝呂木-ヘック反応活性を示すとの知見を元に、反応条件の最適化や基質適用範囲の探索、反応メカニズムの解明、二核錯体の化学修飾による活性向上を目指している。
二核錯体を用いた溝呂木-ヘック反応について、その基質適用範囲を検討したところ、ヨードベンゼン類とアクリル酸エステルとのカップリングは置換基の種類に関わらず良好な反応性を示したが、ブロモベンゼン類やクロロベンゼン類については、それぞれ低活性あるいはほとんど活性を示さないことがわかった。
一方、反応条件を最適化したところ、温度・溶媒・塩基・添加物などの選択によりヨードアニソールとアクリル酸エステルを基質とした場合に、23時間で2000万回の反応が完結することを見出した。(TON=2000万、TOF=240/秒)二核錯体に含まれるルテニウムおよびパラジウム金属周りの構造を部分的に模した単核の部分構造錯体を別途合成し、これら単独あるいは2つの単核錯体を混合した場合には溝呂木-ヘック反応活性を示さないかあるいは遥かに低い活性しか示さないことがわかった。さらに水銀滴あるいはチオフェンを阻害剤として用いた予備的な不均一テストの結果からは、二核錯体は反応系中でも錯体構造を保った均一系触媒として機能している可能性が高いことが示されている。そのため、見出された高活性は二核錯体構造に由来するものではないかと考えており、現在反応中間体の単離および別途合成に取り組んでいる。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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