2005 Fiscal Year Annual Research Report
キレート配位子を主鎖骨格とする一次元芳香族π共役高分子の開発とその機能探索
Project/Area Number |
17750102
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
福元 博基 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (70313369)
|
Keywords | 高分子合成 / ナノ材料 / 高分子錯体 / 有機金属錯体 |
Research Abstract |
ビピリジン、フェナントロリンなどのキレート配位子を一次元主鎖骨格に組み込んだπ共役高分子は遷移金属を一次元に集積することができることから、得られた高分子錯体に光触媒や有機EL素子などの電子・光機能材料特性を期待することができる。本研究では、主鎖骨格に組み込むキレート配位子の設計とその高分子化、金属との錯形成および機能探索(化学センサー、有機EL素子など)を目指す。今年度は、まず、芳香族π共役キレート配位子として、シッフ塩基部位を含むサレン型配位子と複数の金属を取り込むことのできるビピリミジン配位子を合成し、有機金属錯体を用いた重合法を適用して、π共役高分子を合成した。サレン型配位子ジアルキルフルオレンの交互共重合体はニッケル、亜鉛などの金属と速やかに錯形成し、金属の導入率も高いことを明らかにした。この高分子錯体は高分子と金属錯体との直接反応だけではなく金属錯体モノマーの高分子化によっても得られる。また、ビピリミジン配位子とジアルキルフルオレンの交互共重合体についても、銅、ニッケル、亜鉛などの金属と反応し、高分子錯体を与えることを見出した。ビピリミジンユニットは最大二つの金属を導入することが可能であるが、低分子モデル化合物と異なり、金属が段階的に高分子に導入することをUV-visスペクトルにより明らかにした。また、亜鉛イオンとの反応では、添加する亜鉛の量を増やすにつれて発光強度も徐々に増大することも明らかにした。次年度はこれらの交互共重合体の化学センサーとしての特性についても詳細に検討する。
|
Research Products
(2 results)