2005 Fiscal Year Annual Research Report
高分子鎖の選択的振動励起による高分子膜中の一次水和水の直接観測システムの構築
Project/Area Number |
17750105
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
井出 誠 富山大学, 工学部, 助手 (70334711)
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Keywords | 高分子薄膜 / 一次水和水 / 赤外分光法 / ラマン分光法 / ポンプ-プローブ法 / 振動励起 |
Research Abstract |
波長可変赤外線パルスレーザおよびフーリエ変換赤外分光光度計を用いて、高分子鎖の選択的振動励起による一次水和水の直接観測システムの構築を試みている。 具体的には、パルス幅約30ピコ秒、繰り返し周波数250ヘルツの赤外線レーザ(1.5から5マイクロメートル)を励起源に用い、高分子鎖由来の赤外吸収帯を振動励起し、それに同期させたステップスキャンフーリエ変換赤外分光法により、一次水和水に由来する振動領域を観測した。 ステップスキャン法による検討では、振動励起波長および出力に依存した一次水和水由来の振動帯の有意な変化は認められなかった。これは、励起源である赤外線レーザの出力が、一次水和水の振動子に有意な影響を与えるに十分でなかったためと考えられる。 そこで、赤外線パルスレーザの励起源であるYAG(1064nm)の2倍波(532nm)と、波長可変赤外線レーザを用いて、赤外ポンプ-ラマンプローブ分光法により、一次水和水の直接観測システムの設計を行った。本法の場合、ポンプ光およびプローブ光共に、容易に集光することが可能であり、より効率的な振動励起、および観測が可能になると期待される。 現在、既存のボックスカー積分器、赤外線検出器、およびラマン分光光度計を用いて、本システムを構築中である。なお、波長可変赤外線レーザをプローブ光とした透過型赤外分光光度計およびYAGの2倍波(532nm)を励起源とした光学系は構築済である。
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Research Products
(7 results)