2005 Fiscal Year Annual Research Report
非共有結合による機能性色素の自己組織化制御と機能性ソフトマテリアルへの展開
Project/Area Number |
17750120
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
矢貝 史樹 千葉大学, 工学部, 助手 (80344969)
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Keywords | 自己組織化 / 超分子 / 超分子ポリマー / ゲル / 水素結合 / 光異性化 / アゾベンゼン / 色素 |
Research Abstract |
本研究では、低分子量の色素分子を水素結合やπ電子相互作用を利用して集合させ、光学的・電子的特性を持った自己組織化材料の開発を目的とした。機能性色素として、光照射によりその形が変化するアゾベンゼン、電荷輸送特性や発光特性に富んだペリレンビスイミドおよびオリゴフェニレンビニレンを選択した。これらの色素はπ電子を持つためπ-πスタッキング相互作用による自己組織化能を持つが、さらに多重水素結合部位を付与することによってその強度および最低階層として形成する超分子モチーフをプログラムした。アゾベンゼン含有メラミンとN-ドデシルシアヌル酸から、シクロヘキサン中でカラム状会合体が形成され、高濃度条件(20g/L)では、ゲルが形成された。この超分子ゲルは光照射によってゲル-ゾル転移させることができた。一方、メラミン含有ペリレンビスイミドとN-ドデシルシアヌル酸は、水素結合により伸長すると同時に、ペリレン間での強いπ-πスタッキング相互作用が働いていることがわかった。尿素部位を水素結合部位として有するオリゴフェニレンビニレン2量体を13段階の合成ステップを経て効率的に合成する手法を確立した。この分子は水素結合形成を阻害するテトラヒドロフランやジオキサン中でも自己会合し、これらの溶媒を効率よくゲル化した。これは、オリゴフェニレンビニレン部位間でのπ-πスタッキング相互作用が尿素間での水素結合と協同的に働くことに由来すると考えられる。
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Research Products
(5 results)