2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノサイズの空孔を持つ水素結合型超分子包接体の機能性物質への応用展開
Project/Area Number |
17750122
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関谷 亮 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助手 (00376584)
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Keywords | 水素結合 / 配位空間 / カルボン酸二量体 / 集積型金属錯体 / ホストーゲスト化学 / 包接体 |
Research Abstract |
研究業績: 1)4-(4-Pyridyl)benzoic acid(pybenH)を用いた系 PybenHはカルボン酸二量体を形成し、架橋配位子として機能することを見出した。芳香族化合物存在下、pybenH二量体とNi(SCN)_2を集積させたところ、二種類の包接体結晶を得ることに成功した。包接体結晶のX線結晶構造解析の結果、pybenH二量体とSCN^-は、Ni^<2+>をそれぞれ約21Åと約6Åで架橋し、二次元格子状の集積型金属錯体を形成することが明らかとなった。二次元格子内には長方形の空孔が形成され、その中にnaphthaleneやdibenz[a,h]anthracenenが包接されていた。包接体結晶は、二次元格子状の集積型金属錯体が積層することで形成されていた。空孔の大きさから、これら二種類のゲスト以外にも様々な芳香族化合物が包接されることが予想された。(Chem.Lett.2006,35,614-615に掲載) 2)Isonicotinic acid(isoH),3-(4-pyridyl)acrylic acid(acrylH),4-(4-pyridyl)benzoic acid(pybenH)そして3-(4-(4-Pyridyl)Phenyl)propenoic acid(pppeH)を用いた系 四種類のピリジンガルボン酸(isoH, acrylH, pybenH, pppeH)を用い、1と同様な方法で包接体結晶の作成四種類のピリジンガルボン酸(isoH, acrylH, pybenH, pppeH)を用い、1と同様な方法で包接体結晶の作成を行った。その結果、それぞれの二量体とNi(SCN)_2のX線結晶解析を行い、結晶構造の比較を行った。(Inorg.chem.2006,45,9233-9344に掲載)からなる包接体結晶を得ることに成功した。包接体結晶のX線結晶解析を行い、結晶構造の比較を行った。(Inorg.chem.2006,45,9233-9344に掲載) 3)PybenHを用いた集積型金属錯体の包接能の解明 1)の結果に基づき、pybenHを用いた集積型金属錯体の包接能を調べた。様々な芳香族化合物存在下、包接体結晶の作成を試みた。その結果、20種類以上の包接体結晶を得ることに成功した。包接体結晶のX線結晶構造解析を行い、pybenHを用いた系の包接能についてまとめた。(現在論文を執筆中である。) 4)Isonicotinamide(isoNH_2)を用いた集積型金属錯体の設計合成 Isonicotinamide(isoNH_2)もカルボン酸と同様に水素結合二量体を形成することを利用し、1)と同様な方法で包接体結晶の作成を試みた。その結果、四種類の包接体結晶を得ることに成功した。包接体結晶のX線結晶構造解析を行い、結晶構造を明らかにした。(現在速報を執筆中である。)
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