Research Abstract |
1.ロジウムドーピングチタン酸ストロンチウム光触媒とバナジン酸ビスマス光触媒および鉄イオン酸化還元対電子伝達系を組み合わせた水分解用二段階光励起型光触媒系の水素生成光触媒であるロジウムドーピングチタン酸ストロンチウム光触媒について,白金に代わる水素生成助触媒の探索を行なった。多くの金属および金属酸化物について助触媒能の検討を行なった結果,ルテニウムが白金と同等の活性を発現させる水素生成の助触媒であることを見出した。白金助触媒の場合では,目的反応の逆反応である水素と鉄(III)イオンおよび水素と酸素の反応が進行するために光触媒活性が失活してしまうのに対して,ルテニウム助触媒の場合では,それらの逆反応が一切進行しないために失活せずに定常的に水の分解反応が進行した。このように,ルテニウム助触媒が,水分解用の助触媒としては非常に優れた特性を有していることを明らかにした。 2.二段階光励起型光触媒系の水素生成光触媒であるロジウムドーピングチタン酸ストロンチウム光触媒について,ソフトプロセス合成を行なうことで高活性化を検討した。具体的には,シュウ酸を沈殿形成剤に用いた共沈殿法,クエン酸錯体を用いた錯体重合法および水熱合成法について検討した。これらの合成法により得られた光触媒は,メタノールを還元剤とした水素生成反応に対し,従来の固相法により得た光触媒と同程度の光触媒活性を示した。しかしながら,鉄(II)イオンを還元剤とした水素生成反応では,合成法により光触媒活性が顕著に変化した。共沈法および錯体重合法により合成した光触媒ではほとんど活性がなかったのに対して,水熱合成法にて合成した光触媒では固相法に比べて4倍程度活性が向上することが分かった。
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