2005 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブアレイの構造制御と高感度ガスセンサへの応用
Project/Area Number |
17750136
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
橋新 剛 立命館大学, COE推進機構, ポスドク研究員 (20336184)
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Keywords | カーボンナノチューブアレイ / 陽極酸化ポーラスアルミナ / 高感度ガスセンサ |
Research Abstract |
平成17年度で目標としていた「1.アルマイトの細孔制御、2.CNTアレイの作成と構造制御」を達成することができた。以下に概要を示す。 CNTを陽極酸化ポーラスアルミナから配列成長させることを主目的として取り組んだ。20wt%硫酸を15℃で恒温とした後、アルミ板(純度5N,厚み1mm,面積2cm^2)を20Vで陽極酸化することで、25-40nmの細孔を持つ陽極酸化ポーラスアルミナがアルミ板の表面に形成された。この細孔を有するアルミ板を0.05Mのニッケル硫酸溶液中に浸漬後、10mA/cm^2の電流密度で定電流電解することで細孔内部にCNTの成長触媒であるNiを析出させた。これを反応管内に設置し、エタノールを炭素源として625℃で1時間保持することで、15-20nmの直径を持つCNTが細孔内部のNiから成長した。得られたCNTの純度を調べるためにラマンスペクトルによる結晶構造解析を行った結果、CNTの純度を表すG/D比が成長温度によって1〜2の範囲で変化した。TEMによる微構造観察では、得られたCNTが複数の炭素層から構成される多層カーボンナノチューブ(MWNT)であることが明らかとなった。 さらに、Si基板を熱酸化して得られたSiO_2/Si基板上にアルミを蒸着した基板(Al/SiO_2/Si)を5℃の20wt%硫酸中で20Vの電圧を印加することで25-40nmの細孔を持つ陽極酸化ポーラスアルミナを得た。これを上述と同様の手法でNi触媒を細孔内部に担持し、エタノールCVDを行うことでCNTを細孔内部から成長させることに成功した。 上記の成果は、平成18年度から遂行予定であるCNTアレイセンサーによるNO_2およびNH_3ガスの低濃度検知に大きく貢献し得ると判断する。
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