2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17750138
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
籔内 一博 山口東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (80389155)
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Keywords | メカノクロミズム / 自己組織化 / 金属-グリオキシム錯体 / トリフェニルイミダゾール / ダイヤモンドアンビルセル / 静水圧 / 低分子ゲル化剤 |
Research Abstract |
圧力が自己組織化材料に対して与える効果についての基礎的なデータや知見を蓄積するため、前年度に引き続き、ダイヤモンドアンビルセル(DAC)を用いた自己組織化過程のその場観察手法の確立や自己組織性メカノクロミック分子を用いた圧力効果の可視化を目指して研究を行なった。 DACを用いた自己組織化過程の観察手法の確立については、前年度使用していた加熱装置の改良を行い、より高濃度の試料を加圧下で溶解させることが可能になった。これによりDACに封入した試料のIRおよびRamanスペクトル測定が可能になり、静水圧下での分子集合状態に関する知見を得られようになった。今後、スペクトル測定に適した圧力媒体の選択やスペクトルの圧力依存性について詳細な検討を行なっていく必要がある。 自己組織性メカノクロミック分子の開発はトリフェニルイミダゾールと金属グリオキシム錯体の2種類のメカノクロミック骨格を基本として、アミド基をはじめとした自己組織化駆動部位の導入を行なった。自己組織性トリフェニルイミダゾール誘導体はベンゼンや四塩化炭素などの有機溶媒をゲル化し、新規低分子ゲル化剤となることを見出した。この化合物が酸化反応により形成する二量体がメカノクロミズムを示すことを期待したが、乳鉢で擦る程度では色変化を示していない。しかし、固体粉末および溶液状態でフォトクロミズムを示すことを明らかにし、光による分子集合構造の制御が期待できる。一方、前年度より合成を試みている自己組織性金属グリオキシム錯体は、前駆体の合成経路を変更することで目的の錯体が得られるようになった。得られたニッケル錯体は、DAC中約1.5GPaまで加圧することにより、赤橙色から青色に変化しメカノクロミズムを示すことを見出した。
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Research Products
(3 results)