2005 Fiscal Year Annual Research Report
ポルフィリン超分子組織体を応用したナノリソグラフィー技術の開発
Project/Area Number |
17750140
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
中西 尚志 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 研究員 (40391221)
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Keywords | ポルフィリン / 超分子 / 環状オリゴマー / フラーレン / ナノカーボン / 次元規制 / メソポーラス材料 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究提案では、機能性ポルフィリンオリゴマー分子を基本ユニットとし、意図した二次元ナノ組織体(超分子構造)を先ず構築する。超分子組織体の利点を生かし、分子レベルでの組織体デザイン化された二次元ナノ構造として実用レベルの材料の創製が最大の目標である。 初年度にあたる本年は、分子ワイヤー、三次元非線形光学材料などの研究におけるターゲット分子であるポルフィリンオリゴマー合成を行った。目的とした分子は三角形もしくは菱形の大環状オリゴマーであったが、その前駆体になる数種類のV字形のポルフィリン二量体の合成に成功した。現在これら分子の環状体形成への反応条件の検討中である。また、このV字分子を用いたカーボンナノチューブのサイズ、キラル選択への応用も視野に入れて研究を展開中である。 また、基板に寄らない二次元組織化体構築のための機能性モノマーとして、上記ポルフィリンの代替物質として複数のアルキル長鎖を導入したフラーレン誘導体の、溶液中における自己組織化能の評価並びに基板上へのエピタキシャル的なフラーレンナノワイヤの構築に関する展開も現在行っている。前者では、用いる有機溶媒を変えるだけで、次元を完全に制御したナノオブジェクトの開発に成功した。得られた構造は、球状(0次元)、ファイバー状(1次元)、ディスク状(2次元)並びにコーン上(3次元)であり、一種類のフラーレン誘導体を素材として完全な次元規制が達成できることと、それぞれの組織体がフラーレン、ナノチューブ、高配向グラファイトシート及びカーボンナノホーンのメゾスコピックオーダーの材料としてみることができる特徴がある。 更には、界面活性材を鋳型として用いたメソポーラス材料の開発に関しても、超分子組織体を鋳型とする方法論を展開し、キラルな組織体の構築や、メソポーラスシリカ構造を更に鋳型としたメソポーラスカーボンやメソポーラスCNの開発も行った。
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Research Products
(14 results)