2006 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素固定化能を有する高活性遷移金属錯体触媒の開発とその利用
Project/Area Number |
17750145
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
園田 素啓 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (90314400)
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Keywords | 高機能錯体 / 触媒反応 / 不活性分子の固定化 / 二酸化炭素 / トランス配位型 |
Research Abstract |
本研究では、特異的な捕捉機能を有する配位子を設計することにより、二酸化炭素のような不活性小分子の固定化と有機合成への利用が同時に行える機能性金属錯体の創出、ならびにそれを用いる触媒反応の確立を目的とした。配位子として取り上げたアミノ基を有するビス(ピリジルエチニル)ベンゼン誘導体は、ジブロモベンゼン誘導体に、薗頭反応によるエチニル化、ニトロ化、アミノ化を行うことによって合成を試みた。しかし、この条件では、位置異性体や構造不明の副生物が多く得られ、配位子の完全な分離精製に至らなかった。このビス(ピリジルエチニル)ベンゼン誘導体は、中心金属に対してトランス位で配位する特殊な二座配粒子と考えられるため、まず官能基を持だない誘導体を用いて、以下のことを確認した。すなわち、1)一般的な溶媒中において、ヽこの配粒子は種々の遷移金属と1:1および2:2の両方の錯体を形成していること、2)一般的な反応性について、Pd触媒を用いるヘック反応やPd/Cu触媒系を用いる薗頭反応が、収率の低下は見られるものの問題なく進行し、相当するカップリング生成物が得られることを確認した。 次に、低純度ながら合成したアミノ基を有する配粒子を用いて、二酸化炭素雰囲気下、様々な遷移金属(Pd、Rh、Ru、Co、Ni、etc)、ヨードベンゼン、いくつかの求核剤との反応について、種々検討したが、期待した反応が生起する条件を見い出すには至らなかった。しかしながら、配粒子の効果について、ヘック反応を取り上げて比較実験を行った結果、配粒子の存在により二酸化炭素がPd錯体とより強く関わりうることが明らかとなった。
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