2005 Fiscal Year Annual Research Report
誘電泳動を利用した異種細胞のパターニング技術の開発
Project/Area Number |
17750149
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安川 智之 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助手 (40361167)
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Keywords | 誘電泳動 / 細胞配列 / 一括パターニング / パターン培養 / マイクロ流路デバイス / 3次元配列電極 / マイクロ電極 / 細胞ペアリング |
Research Abstract |
マイクロ電極を組み込んだ微小流路デバイスを作製して細胞(マウスミエローマ,3T3等)を導入し,誘電泳動特性を調査した.細胞には低周波数領域(100kHz以下)においてネガティブ誘電泳動が,高周波領域(1MHz)においてポジティブ誘電泳動が作用した.電極の溶液との接触面積を既定することにより,誘電泳動により細胞を培地中でマニピュレーションできた.使用した培地(10%牛血清を含むRPMI1640)の誘電率は1.32S/mであり,極めて高いイオン濃度を有する溶液中における自在な細胞操作を達成した.さらに,交互くし型マイクロ電極を用いて,ネガティブ誘電泳動の反発力を利用すると培養用基板上に細胞の繰り返しラインパターンを迅速に一括で作製することができた.交流電圧を3分間印加するとパターンされた細胞は基板に接着し,そのまま培養が可能であった. マイクロ流路デバイスの上下基板にくし型電極を直交させて配置させた3次元配列電極を作製した.この電極デバイスは4電極で構成されており,それぞれの電極へ印加する交流電圧および周波数に依存して,多種多様な配列を一括で創成することができた.例えば,上面および下面の交互くし型電極に100kHz程度の周波数の交流電圧を同位相で印加すると,特定の電極格子点に細胞を集積することが可能である.また,周波数および位相を制御することにより細胞を配置させる格子点を選択できた.さらに,電極の幅およびギャップ間隔を調節することにより1つの格子点に単一細胞を配列させることができた. マウスミエローマ細胞のビオチン化を行い,誘電泳動特性を調査した.ビオチン化細胞の誘電泳動特性に顕著な変化は観測されなかったが,ビオチン-アビジン結合を介して金属ナノ微粒子を結合させることにより,誘電泳動特性を大きく変化させることができた.
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