2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17750151
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 裕 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (10361669)
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Keywords | アミノアシルtRNA / リボザイム / 翻訳 / 非天然アミノ酸 / 試験管内進化 |
Research Abstract |
非天然アミノ酸変異法は、人工的な官能基を蛋白質に部位特異的に導入できる優れた方法である。しかし非天然アミノ酸を結合したアシルtRNAの合成が困難であるため、本方法の利用は限られたものであった。そこで我々はアシルtRNAの合成を触媒するリボザイムを人工的に進化させ、この合成を簡便化することを提案してきた。これまでにフレキシザイムを創成し、Phe誘導体でアシル化されたtRNAを合成し、これを蛋白質に部位特異的に導入することに成功している。本課題ではRNA触媒を進化させ、フェニルアラニン誘導体以外の非天然アミノ酸に本方法を拡張することを目的とする。 本年度はまずRNAのプールを合成した。40塩基のランダム配列の3'末端側にtRNAの類似体を結合させたDNAを大容量PCRを用いて増幅し、さらにこれを鋳型としてRNAを転写した。このRNAと基質である弱く活性化したアミノ酸(Nle-CME)を用いて、試験管内進化実験によりアシル化活性をもつリボザイムを単離した。しかし解析の結果、最初に得られたリボザイムは3'末端の水酸基ではなくRNA鎖中の2'水酸基をアシル化していることが分かった。そこで次に、我々が以前単離したフレキシザイムの骨格を基本にし、ランダム配列を配置したRNAプールを設計した。フレキシザイムは、末端の3'水酸基をアシル化することが分かっているため、この新しいプールには目的の活性を持つリボザイムが多く存在していると考えられる。このプールを用いて弱く活性化したアミノ酸(Phe-CME)に対する試験管内進化実験を行った結果、より活性の向上したeFx(enhanced Flexizyme)が創成できた。さらにeFxはPheの他にTrp,Tyrも基質とできることが分かった。今後は基質の設計を工夫し、より多くのアミノ酸を受入れることができるリボザイムを創成する予定である。
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Research Products
(2 results)