2005 Fiscal Year Annual Research Report
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17750162
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大槻 高史 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 講師 (80321735)
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Keywords | 蛍光アミノ酸 / 蛋白質生合成 / tRNA / コドン / 細胞 / 哺乳動物細胞 / 直交化tRNA / 蛍光標識 |
Research Abstract |
本課題は、"細胞内"で蛋白質中の望んだ部位に蛍光基を導入する方法の開発に取り組んだ。本方法は細胞内の蛋白質合成装置を利用し、蛍光基をもつアミノ酸を直交化tRNAに結合させ、mRNA上のコドン特異的に蛋白質に導入するというものである。この方法では、蛍光部位は小さな蛍光基としてアミノ酸一残基分のスペースに導入するため、蛋白質の機能を損なう可能性は少ない。また、細胞内の成熟過程を経るため、正しいフォールディングの蛋白質を得られる可能性が高い。 哺乳動物細胞を用い、細胞内で蛍光アミノ酸を含む蛋白質を発現させるため、平成17年度は以下のことを行った。 (1)蛍光アミノ酸を結合させるtRNAは、蛍光アミノ酸が外れた後、細胞内に多種類存在するARSによって少しでも認識されると、蛍光アミノ酸の導入予定部位に別のアミノ酸が誤って入ってしまう。そこで、哺乳動物のARSが認識し得ないような直交化tRNAが必要である。本年度は、哺乳動物in vitro翻訳系を用い翻訳効率及び直交性の良いtRNAを選出することができた。 (2)緑色蛍光アミノ酸Bodipy-FL-AFを用いて、赤色蛍光蛋白質DsRed内に取り込まれたことを蛍光の共局在あるいはFRETによって確認することを考えた。本年度は、アンバーコドン(蛍光アミノ酸を導入するためのコドン)を含むDsRed蛋白質の発現ベクターを作成し、アンバーコドンが外部から加えたtRNAによりサプレッションされたときのみ細胞内に赤色蛍光が観測されることを確認した。 (3)(1)で選出したtRNAに緑色蛍光アミノ酸を結合させたものを調製した。 今後は、蛍光アミノ酸の結合したtRNAをどのように細胞内に導入するかについて検討を行う予定である。
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