2006 Fiscal Year Annual Research Report
新しいセンシングメカニズムに基づいたリン酸化タンパク質のレシオ型蛍光検出
Project/Area Number |
17750163
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
王子田 彰夫 京都大学, 工学研究科, 助手 (10343328)
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Keywords | 蛍光センサー / レシオ検出 / 分子認識 / リン酸化 / たんぱく質 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
前年度に引き続いてリン酸化タンパク質をはじめとする生体内リン酸種に対してレシオ型の蛍光変化によりセンシング可能な亜鉛錯体型人工低分子センサー一の開発を目指して、1)アクリジンを蛍光団として有するセンサー分子酵素反応解析への応用、2)キサントンを蛍光団として有するレシオ変化型センサー分子機能評価を行った。1)については前年度までにレシオ型蛍光波長変化メカニズムについて詳細な解析を行ったが、今年度はアクリジン型蛍光センサーの酵素反応の蛍光リアルタイム解析への応用について検討を行った。本系はアクリジン型蛍光センサーのATPなどのヌクレオチドピロリン酸に対する選択的な蛍光センシング能を利用したもである。詳細な解析条件検討の結果、糖転移酵素反応であるガラクトシルトランスフェラーゼおよびATP分解酵素であるアピレースのリアルタイムでの酵素反応モニタリングに成功した。以上のアクリジン型蛍光センサーに関する結果は,Chemistry-An Asian Journalへと投稿し掲載された。2)については、前年度に引き続いてキサントン二核亜鉛錯体型センサー分子のレシオ型蛍光変化のメカニズムについて詳細な検討をさらに1Hおよび31P-NMRを用いて行った。得られる結果は昨年度の検討により推測されたメカニズムを明確に支持するものであった。このキサントン型蛍光センサーに関する結果はまとめてAngew.Chem.Int.Ed.へと投稿し掲載された。 一方で開発されたアクリジンおよびキサントン型蛍光センサーはともにリン酸化ペプチドに対しても良好なレシオ型の蛍光スペクトル変化を示し、リン酸化タンパク質やペプチドに対する蛍光センサーとして機能することが明らかとなった。
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