2005 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖結合ペプチドによる糖脂質の集合/分散状態の識別手法の開発
Project/Area Number |
17750166
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松原 輝彦 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (10325251)
|
Keywords | スフィンゴ糖脂質 / レクチン / マイクロドメイン / 原子間力顕微鏡 / 糖鎖クラスター / ラフト / ファージ提示法 / ペプチドライブラリー |
Research Abstract |
本研究は動物細胞形質膜における、複合糖質を含むマイクロドメインのナノスケールでの挙動を解析する手法を開発している。 1.マイクロドメインへの原子間力顕微鏡(AFM)による直接観察 まずペプチドおよびレクチンなどの糖脂質ドメインへの結合をAFM観察する技術を確立した。Langmuirトラフを用いて脂質成分を気-水界面単分子膜を作成し、マイカ基板に固定化すると、一層目は脂質膜の親水部をマイカ側に、二層目は疎水部を一層目の疎水側にして二分子膜を調製することができた。このような作業を行うことで、脂質組成が確かで液中観察が可能となった。この状態でAFMによって表面トポロジーを画像化し、得られた画像は解析ソフトを用いて高さ情報をヒストグラム化した。するとトポロジーを半定量的ながら、ドメインの大きさ/分布が数値化できることがわかった。この膜面とペプチドなどと相互作用させると、分子の結合を観察することができた。ドメインへの分子の結合の直接的な証拠を得ることができた。 2.糖鎖認識ペプチドの分子進化の準備 ドメイン認識させるペプチドの糖鎖認識を向上させるため、これまでに得られた糖鎖クラスター認識ペプチドを分子進化させる準備を行った。元のアミノ酸配列を原型に、ランダム変異を行ったライブラリーを作成した。原型のDNA配列にerror-proneによる変異を導入し、変異の入ったDNAをファージミドに挿入、宿主菌に遺伝子導入してファージ変異ライブラリーを作製することができた。 3.学会発表 本研究についての成果を国内学会で2件発表し、うち1件でポスター賞を受賞した。国際学会は1件、関連研究2件で計3件発表した。
|