2005 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性色素タンパク質複合体の再構成:クロロフィルから見た動的形成過程の追跡
Project/Area Number |
17750167
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
溝口 正 立命館大学, 理工学部, 講師 (90343665)
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Keywords | クロロフィル / 光合成 / 色素タンパク質複合体 / 自己集積 |
Research Abstract |
緑色硫黄光合成細菌に固有の水溶性色素タンパク質複合体(以下FMOタンパク質と略す)に着目し、その再構成・色素交換法の確立から「クロロフィルからみた色素タンパク質複合体の動的形成過程の追跡」と「様々なクロロフィル色素の導入による新規な水溶性光応答タンパク質の構築」を目的とした。本年度は、FMOタンパク質の単離・精製、再構成・色素交換法の確立と高圧下での紫外可視吸収スペクトル測定を計画した。 緑色硫黄光合成細菌(Chlorobium tepidum)からFMOタンパク質の単離・精製を、既報操作に改良を加えることで、簡便かつ高効率に行うことに成功した。得られたFMOタンパク質に対し、0.1〜0.128MPaの加圧下で紫外可視吸収スペクトル測定を行った。FMOタンパク質の加圧に対するスペクトル変化を追跡した結果、タンパク質内部に固定化されたクロロフィルの分子間相互作用がほとんど見られず、ペプチドタンパクの3次構造も他の光合成系色素タンパク質複合体のものより極めて強固であることが判明した。FMOタンパク質の再構成・色素交換に先立ち、交換用の様々なクロロフィル誘導体の合成を行った。クロロフィル誘導体の合成は、クロロフィル分子への自己集積能の付与に焦点を絞り行った。自己集積能を有すクロロフィル誘導体の簡便かつ高効率な合成は、緑色光合成細菌の光捕集アンテナ部(=クロロゾーム)の構造/機能モデルの構築という点でも有益である。好気性原核光合成生物Acaryochloris marinaが生産する特異なクロロフィル分子に着目し、その構造改変から自己集積能を有すクロロフィル誘導体の合成に成功した。また、クロロフィル生合成を利用することで、自己集積型クロロフィル分子の長鎖アルキル側鎖を系統立てて改変することにも成功した。
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Research Products
(5 results)