2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17750171
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山田 和彦 独立行政法人理化学研究所, NMR解析技術高度化研究チーム, リサーチアソシエイト (80373380)
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Keywords | 固体酸素17NMR / 生体分子 / タンパク質の構造・機能解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、従来難題とされてきたタンパク質などの生体分子における酸素NMR法を開発し、タンパク質の構造および機能解析に応用することである。本年度の研究において、以下の研究実績を報告する。 タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のカルボニル基に酸素17安定同位体を大きな損失なしに標識することに成功した。本標識方法については、すでに特許申請を行い、現在特許査定(特許公開P2006-8666A)。本標識方法について詳細に解説した投稿論文は、現在執筆中。また、数種類の酸素17標識ペプチドの合成を行い、ペプチド中の酸素17標識率を計測し、その結果は理論的に予想された標識率とほぼ一致した。本標識方法においては、固相合成法を駆使したペプチド合成実験にも応用できることを確認した。 20種類の酸素17標識アミノ酸の固体酸素17NMR測定を行い、酸素NMRパラメーターを正確に計測した。得られた酸素NMRパラメーターを基に、水素結合の強度や分子の動的挙動に関する相関関係を模索している。これら実験結果は2006年ENC(ポスター、Solid-State ^<17>O NMR in the Twenty Amino Acids、K.Yamada and T.Yamazaki)で発表する予定で、それら成果は順次論文に投稿する予定。今後、ペプチドの固体NMR測定と、さらに分子量の大きいタンパク質における酸素を対象とした標識実験を実施する予定。 将来の生体分子の研究に基盤となる有機化合物における固体酸素17NMR法(半整数四極子核固体NMR法)についての理論や最近の進歩およびこれからの展望についてまとめた総説を雑誌「分光研究」に投稿した(in press)。
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Research Products
(1 results)