2005 Fiscal Year Annual Research Report
高いリチウムイオン輸率を指向した非ポリエーテル系高分子固体電解質の合成
Project/Area Number |
17750174
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松見 紀佳 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助手 (40323745)
|
Keywords | シングルイオン伝導体 / リチウムイオン輸率 / 有機ホウ素高分子 / ホウ素-イミダゾール錯体 / アニオンレセプター / リチウム二次電池 / 高分子固体電解質 |
Research Abstract |
新規非ポリエーテル系高分子固体電解質として、ポリアルキルボラン-イミダゾール錯体の合成を試みた。メシチルボランと1,7-オクタジエンとのヒドロボレーション重合により得られたポリアルキルボランに対してアルキルボランユニットに対して当量のN-エチルイミダゾール錯体を作用させたところ、対応するポリアルキルボラン-イミダゾール錯体の合成に成功した。構造は^1H-及び^<11>B-NMRスペクトルにより決定した。得られたポリマーに様々な量のLiTFSIを添加したところ、有機ホウ素ユニットに対して70unitmol%のLiTFSIの存在下でもっとも良好なイオン伝導度が観測された。塩種の依存性について調べたところ、LiTFSI以外にLiCF_3SO_3やLiBrの存在下でも良好なイオン伝導度の温度依存性が観測されたが、LiTFSI系がもっとも高いイオン伝導度を示した。また、VFTプロットは直線的なフィッティングが可能であったことから、高分子主鎖のセグメント運動に依存したイオン輸送メカニズムであることが示唆された。 次に、N-エチルイミダゾールの添加量を調整し、アルキルボランユニットを残存させた系を作成した。これらの系におけるイオン伝導度は低下したが、リチウムイオン輸率は大きく向上し、最大で30℃において0.82を示した。この値はアニオントラップ系としては著しく高く、ホウ素によるアニオントラップはポリエーテル系マトリックス中と比較してはるかに効果的に作用することが見出された。
|