2005 Fiscal Year Annual Research Report
燃料電池用電極触媒としての無置換フタロシアニン錯体α型積層薄膜の電気化学的作製
Project/Area Number |
17750183
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
高瀬 聡子 九州工業大学, 工学部, 教務職員 (60239275)
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Keywords | 燃料電池 / フタロシアニン |
Research Abstract |
実験は以下のように行なった。 MePc薄膜は各MePc(Me=Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Sn)の粉末試薬を種々の溶液系に溶解または分散させ、超音波処理したものを電解液とし、白金を対極にしてITOまたは金付きアルミナ基板上に電解析出、乾燥させて作製した。溶媒には、ジクロロメタン、スルホラン、アセトン、トルエン、エタノール等を用い、添加剤としてトリフルオロ酢酸、硫酸などの酸、または電解質である過塩素酸テトラクロロメチレン(TEAP)等を検討した。および、得られた薄膜はUV-Vis, XRD, SEM等によりキャラクタリゼーションを行うとともに、酸素飽和、酸素除去後の0.1M KOH溶液中でサイクリックボルタンメトリーを行なうことにより、酸素還元特性を検討した。 電極の作製状況としては、トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン系からは陽極にMePc(Me=Fe, Co, Ni, Cu, Zn)等の均一な膜が得られ、XRDパターンからα層が確認された。一方、Sn(IV)の2塩化物やナフタロシアニン錯体は、この系からは得られなかったが、Sn(IV)の2塩化物はTEAPを添加したアセトン溶液から得られた。スルホラン、ジクロロメタンおよびアセトン溶媒に硫酸を添加した系では、陰極に析出する物質は認められたが、電極上に固着しなかった。 また、膜の種類による酸素還元特性の比較として、導電性高分子(Nafion)を用いてMePcを担持した金電極とトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン系から金電極上に作製したα構造を有するMePc薄膜電極では、電解溶液中の酸素の有無のCV曲線が大きく異なることがわかった。これからMePcの酸素還元特性が膜の構造に大きく影響されることがわかった。
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