2005 Fiscal Year Annual Research Report
同軸ナノケーブルアレーの作製によるナノスケール領域への光の局在化
Project/Area Number |
17750184
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西尾 和之 首都大学東京, 都市環境学部, 助教授 (00315756)
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Keywords | ポーラスアルミナ / ナノフォトニクス / 同軸ケーブル |
Research Abstract |
規則的な突起配列を有するモールドを用いたアルミニウムへのインプリント処理により,500nm周期の窪み配列をアルミニウムの表面に形成した.これを陽極酸化することで,窪み位置に細孔の形成を誘導し,細孔が500nmで理想配列した陽極酸化ポーラスアルミナを作製した.アルミナ膜の片側にNi層を形成して電極とし,細孔を貫通孔化させた後に電解析出によりAuを充填した.りん酸を主成分とするエッチング液に試料を浸漬することにより,Auワイヤの周囲のアルミナを選択的に溶解し,Auワイヤの外周に沿ったチューブ状の空隙を形成した.この空隙に樹脂を充填し,アルミナをNiに置き換えることにより,細孔中心に直径130nmのAuのワイヤが存在するNiの同軸ナノケーブルアレーを作製した.この試料の光透過特性を測定したところ,800nm〜1800nmの近赤外域の光を同軸部で透過する特性を有することがわかった.同軸構造の微細化を進めた結果,モールドの突起配列の微細化及び陽極酸化条件の調整により,細孔周期300nmで同軸ナノケーブルアレーを得ることができた.このときのAuワイヤ径は約100nm,細孔径は約200nmであった.この試料の光透過特性は,500nm周期の同軸ナノケーブルアレーの光透過特性と比較して透過率の低下がみられたものの,可視域(約300nm)から近赤外域(約1800nm)の広い範囲にわたって入射光を透過し,可視光をナノスケールの領域で伝播させるという,本研究課題で当初に目指した機能を有することが確認された.
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Research Products
(3 results)