2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規な酸性高分子ヒドロゲル電解質薄板の開発と電気二重層キャパシタへの応用
| Project/Area Number |
17750185
|
|---|
| Research Institution | Osaka Prefecture University |
|---|
Principal Investigator |
野原 愼士 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (40326278)
|
|---|
| Keywords | 電気二重層キャパシタ / 酸性高分子ヒドロゲル電解質 / ポリビニルアルコール / グルタルアルデヒド / 硫酸水溶液 / 電気伝導率 / 自己放電特性 |
|---|
| Research Abstract |
本年度の研究実績の概要は次の通りである。
1)酸存在下でのポリビニルアルコール(PVA)のグルタルアルデヒド(GA)による架橋反応に着目し、この反応を利用して酸性高分子ヒドロゲル電解質薄板の作製を試みた。その結果、1M硫酸水溶液にPVA粉末を溶解させ、撹拌しながらグルタルアルデヒド(GA)溶液を添加し、架橋させるという非常に簡便な方法により、大量の硫酸水溶液を保持する均質で透明な酸性高分子ヒドロゲル電解質薄板を作製することができた。この電解質は十分な機械的強度を有し、さらに室温で約0.2Scm^<-1>の非常に高い電気伝導率と広い電位窓を有することがわかった。
2)酸性高分子ヒドロゲル電解質薄板と活性炭素電極を用いて、電気二重層キャパシタ(EDLC)を組み立て、その電気化学特性を評価した。その結果、良好な電極/電解質界面を構築することができ、組み立てたEDLCはキャパシタとして良好に作動することが明らかとなった。静電容量は水溶液を用いた場合に近い値であった。また、自己放電特性を調べた結果、酸性高分子ヒドロゲル電解質薄板を使用すると、1M硫酸水溶液を電解質に用いたものと比べ、電圧保持特性が著しく向上し、リーク電流も抑制された。
3)EDLCの特性を改善する目的で、より高濃度の硫酸水溶液を保持する酸性高分子ヒドロゲル電解質薄板の作製を試みた。硫酸水溶液の濃度とPVAおよびGAの量を最適化し、より温和な条件下で架橋させることにより、4M硫酸水溶液を保持する均質で透明な酸性高分子ヒドロゲル電解質薄板の作製に成功した。この酸性高分子ヒドロゲル電解質薄板は1M硫酸水溶液を保持するものと比べて高い電気伝導率を示した(室温で約0.6Scm^<-1>)。また、この電解質を用いることにより、EDLCの静電容量も1Mのものと比べて大きく増大した。
|
Research Products
(2 results)
