2005 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウムイオンを伝導種とする実用的な固体電解質の開発
Project/Area Number |
17750196
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田村 真治 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80379122)
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Keywords | イオン伝導 / イオン結晶 / セラミックス / 構造・機能材料 / アルミニウムイオン |
Research Abstract |
実用領域の高いイオン伝導性を示すアルミニウムイオン伝導体の開発を目指し、(Al_xZr_<1-x>)_<4/(4-x)>Nb (PO_4)_3の結晶格子を構成しているイオンの一部を価数やイオン半径の異なるイオンで部分置換することで、格子サイズや3価イオン欠陥を制御し、Al^<3+>イオン伝導性の向上を図った。また、化学センサ等への応用を目的に試料の緻密性を向上させるべく焼結助剤として酸化ホウ素の添加を試みた。 格子サイズの制御は、Zr^<4+>イオンサイトをよりイオン半径の小さなTi^<4+>イオンで部分置換することで格子サイズを縮小させ、またAl^<3+>イオンサイトをよりイオン半径の大きなLa^<3+>イオンで部分置換することで格子拡大を行った。その結果、アルミニウムイオン伝導性は格子サイズに依存して変化し、Ti^<4+>で部分置換した試料((Al_<0.2>Zr_<0.64>Ti_<0.16>)_<20/19>Nb(PO_4)_3)において最も高いアルミニウムイオン導電率が得られることがわかった。しかし、Ti^<4+>で部分置換することで還元性雰囲気中において電子伝導が若干発現したことから、還元性雰囲気下での安定性に問題があった。 一方、(Al_xZr_<1-x>)_<4/(4-x>)Nb(PO_4)_3に焼結助剤として酸化ホウ素を添加した場合、試料の緻密性が向上した結果、アルミニウムイオン伝導性も向上することがわかった。最適な酸化ホウ素添加量は(Al_xZr_<1-x>)_<4/(4-x>)Nb(PO_4)_3に対して6重量%であり、この時、相対密度99.8%の焼結体試料が得られ、機械強度およびアルミニウムイオン伝導性は共に、酸化ホウ素無添加試料と比較して約2倍向上することが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)