2005 Fiscal Year Annual Research Report
層状化合物の層剥離を利用した安定ゾル溶液の調製と高感度ガス検知膜の作製
Project/Area Number |
17750197
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
木田 徹也 佐賀大学, 理工学部, 助手 (70363421)
|
Keywords | 層状化合物 / インターカレーション / ガスセンサ |
Research Abstract |
本年度は以下の二つの事項について検討を行った。 I 金属ポリ酸/アミン無機有機層状ハイブリッド膜を用いたガス検知膜の調製と評価 層状化合物、MoO_3、V_2O_5、WO_3H_2Oにn-アルキルアミンをインターカレーションさせ、ポリオキソ酸の形で溶解させた水溶液を調製した。この溶液を用いることで、基板上にディップコーティング等の簡単な手法によって、無機層と有機層が高い規則性で配列した無機-有機ハイブリッド膜が調製できることを見出した。さらに作製したハイブリッド膜に紫外線処理、熱処理を加えることで、ポーラスなMoO_3、V_2O_5、WO_3薄膜を調製した。安定化ジルコニアを固体電解質として用いた混成電位型のセンサの電極にこれらポーラス膜を用いたところ、MoO_3から調製したポーラス膜が空気中の微量アンモニア(10-100ppm)に対して高い感度を有することを見出した。さらに作製した電極は共存水蒸気の影響もほとんどなく、H_2、NO_2に対する感度は小さかった。この混成電位型のセンサは作動温度が500□程度と高いため、排ガス中のNO_x除去のために使用されるアンモニアの濃度モニタリングに利用できる可能性がある。 II 層状化合物の剥離により得られたナノシートの電気特性評価 数種類の層状化合物(K_4Nb_6O_<17>、KTiNbO_5、Bi_2W_2O_9、KCa_2Nb_3O_<10>、KSr_2Nb_3O_<10>)の層間イオンをプロトン交換した後、水中で第四級アンモニウムイオンを作用させることでナノシート分散ゾル溶液を調製した。調製したゾル溶液の中でもK_4Nb_6O_<14>の再現性が良好であった。そこでNb_6O_<14>^<4->ナノシートゾル溶液を基盤にキャストし、ナノシート薄膜を調製した。インピーダンスアナライザーによって交流抵抗を測定したところ、雰囲気の水蒸気分圧に抵抗値が大きく依存することがわかった。また直流4端子法により求めた抵抗値は交流抵抗値に比べ2桁以上大きいことから、プロトンが主な導電種であることが示唆された。
|