2005 Fiscal Year Annual Research Report
その場重量測定による窒化アルミニウム基板表面反応メカニズムの解明
Project/Area Number |
17760007
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
熊谷 義直 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (20313306)
|
Keywords | AlN / HVPE / 基板 / 面極性 / 分解 |
Research Abstract |
ハイドライド気相成長(Hydride Vapor Phase Epitaxy:HVPE)法によりサファイア(0001)面単結晶基板上に窒化アルミニウム(AlN)単結晶厚膜を成長する際に、成長開始時の条件制御により結晶構造的に互いに表裏の関係にあるAl極性,N極性のAlN(0001)面成長を実現できることがわかった。極性を制御して成長したAl極性、N極性のAlN結晶の高温雰囲気下での分解メカニズムをその場重量測定により検討するため、原子・分子レベルの重量変化に対する感度を持つ"その場重量変化測定装置"の基板加熱機構を改良した。AlNのHVPE成長は1100℃以上の高温下で行われるが、これに対応する温度範囲でのAlN分解挙動を検討するため、"その場重量変化測定装置"の加熱上限温度を1500℃まで可能とした。 これと平行し、その場では無い手法(予備実験)として、光集光加熱によるAlNの加熱により不活性ガスおよび水素気流中でAlNを1500℃まで加熱できる装置を構築し、AlNの分解の雰囲気および温度依存性を検討した。実験結果より、AlNは不活性ガス雰囲気下では分解しないこと、水素雰囲気下では水素との反応により分解することがわかった。また、1300℃以上の高温ではAl極性AlNよりもN極性のAlN結晶の分解が速いこと、1300℃未満では逆にN極性AlNよりもAl極性AlNの方が分解速度が大きくなることが分かった。つまり、AlN厚膜の成長を行う高温下では、分解速度の小さいAl極性のAlN結晶を成長することが有利となることがわかった。現在、AlNと水素の反応の極性依存性を結晶表面の原子配置から説明すべく検討を行っている。
|