2005 Fiscal Year Annual Research Report
GaN,ZnO,ZnSe系発光ダイオードの劣化を引き起こす増殖性点欠陥の制御
Project/Area Number |
17760012
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
足立 真寛 鳥取大学, ベンチャービジネスラボラトリー, 研究員 (90379660)
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Keywords | GaN / ZnO / ZnSe / 白色LED / 素子劣化 / 格子欠陥 / 半導体物性 / 自己補償効果 |
Research Abstract |
平成17年度は,本年度の目標であったワイドギャップ半導体光デバイス(GaN系,ZnSe系LED)のaging試験を行い,素子劣化のメカニズムの解明に必要な素子劣化の基礎データの蓄積に注力した.以下に本年度の研究実績を記す. (1)GaN系深紫外LEDに関して GaN系LEDの加速劣化試験(150mA,450K)を行い,その光出力の低下をモニタすると同時に,系統的にその素子特性(ELスペクトル,暗電流(生成電流),深い準位の濃度など)を測定し,素子劣化の解明に必要な基礎データのを蓄積を行った.輝度低下に伴い,いくつかの素子特性の変化を把握したが,いずれが輝度低下を律速する要因であるか決定できていないのが現状である.今後は,さらに蓄積された系統的かつ定量的なデータを基に,素子寿命を律速する増殖性ミクロ点欠陥の決定を行い,素子劣化の物理的メカニズムの解明を行う. (2)ZnSe系白色LEDに関して ZnSe系白色LEDにおいて,素子プロセスの加工歪み(熱アニール,へき開など)によって,p型クラッド層中でミクロ点欠陥HO中心(p型ドーパントである窒素の複合欠陥,E_V+E_T=600meV)が容易に発生することを見出した.実用化において最も重要な素子寿命は,このHO中心の初期濃度(N_T>2×10^<15>cm^<-3>以上)に完全に依存することが定量的に明らかとなった[発表論文1]. (3)ZnO系結晶に関して 素子劣化の研究に必要な基礎データを蓄積することを目的に,エピタキシャル薄膜中のミクロ点欠陥準位,特にノン・ドープZnO結晶をn型とするネイティブ欠陥(ドナ性欠陥準位)の検出を行った.検出された準位の濃度と,結晶のドナ濃度に関する系統的なデータを蓄積している段階である.
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