2005 Fiscal Year Annual Research Report
半導体2重量子井戸構造の高密度励起によるリング状発光の制御とイメージ測定
Project/Area Number |
17760016
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
今中 康貴 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノマテリアル研究, 主任研究員 (70354371)
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Keywords | 2重量子井戸 / イメージング / 発光 / ボーズ凝縮 |
Research Abstract |
本年度は、ケンブリッジ大学より提供してもらった試料を、こちらにあるフォトリソグラフィー装置などを用いて、本研究の目的であるリング状発光の観測に必要なデバイスに加工するための環境整備とノウハウを得ることに終始した。特にリーク電流の大小がリング形成のメカニズムに大きくかかわっていることが分かっているので、試料上面部と深部の2ヶ所のn領域のオーミックコンタクトの作成は非常に重要になってくるが、通常のオーミックコンタクトのアニーリング温度及び時間では上面部に作成したオーミックコンタクトが2重量子井戸を貫通してしまう場合が出てしまうため、その条件出しに非常に時間がかかってしまっている状況である。 光学測定自体は、2次元イメージングを行うための光学測定用クライオスタットが導入されたところであり、来年度早々にヘリウム4温度でのイメージング測定を行う予定である。これにより様々な条件の試料におけるリング生成メカニズムの検証と正確な温度変化などの情報が得られ、より低温での実験の際の基礎データとなるものと思われる。 発表及び講演に関しては、2005年度日本物理学会秋季大会(2005.9.19-9.22)における領域4,5の共同シンポジウム"半導体物性研究におけるイメージング計測の現状"にて招待講演を行い、現在までの研究の進捗具合と将来への展望及び問題点に関して報告することができた。 来年度はリング生成が起こるために必要な構造及び詳細なパラメーターを決め、目標であるヘリウム3温度でのイメージング実験を行う予定である。
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