2006 Fiscal Year Annual Research Report
低速電子線の蛍光体への侵入領域の解析及びナノ領域表面状態の解明
Project/Area Number |
17760024
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小南 裕子 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (60313938)
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Keywords | 薄膜 / SrGa_2S_4:EU / 電子線 / レーザアニール / 侵入深さ |
Research Abstract |
緑色発光SrGa_2S_4:Eu蛍光体を薄膜化し,その薄膜の状態を積層及び混層で作製し,それぞれの発光特性ならびに光学特性から,電子線の侵入領域について評価を行なった.各蒸発源材料として,SrS:EuならびにGa_2S_3ペレット圧力成型により作製し,これらを二元電子ビーム蒸着法により,それぞれ独立に蒸発制御することにより,それぞれの膜厚や積層状態・混層状態を制御した.総膜厚は1,000nmと一定とし,積層の膜厚については10〜500nm,交互の2層〜10層の間で変化させた.また,混層においては,SrS:Eu/Ga_2S_3の供給比を0.65〜1.5の間で変化させた.蒸着した薄膜を硫化水素雰囲気中にて熱アニール,またはKrFエキシマレーザ(248nm)でアニールすることにより,SrGa_2S_4:Euが部分的に形成され,その発光特性から電子線の侵入領域について評価を行なっている.レーザアニールにおいては,レーザの侵入深さも1つのパラメータとなるため,電子線の侵入深さの解析から,レーザアニールによる熱伝播の深さ方向の解析も行なった.熱伝導方程式を用いたシミュレーションを用いた解析の結果,試料表面におけるレーザ照射による温度上昇は600〜1000Kとなり,膜厚方向では約200〜300nmの表面近傍のみがSrGa_2S_4の結晶化温度に到達していることが明らかとなった.
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