2005 Fiscal Year Annual Research Report
表面ホール電位分布計測による電子材料内部埋没構造のナノレベル透視技術の開発
Project/Area Number |
17760029
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
有馬 健太 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10324807)
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Keywords | 表面ホール電位分布 / ケルビン法 / ケルビンフォース顕微鏡 / 埋没構造 / ホール効果 / 半導体材料 |
Research Abstract |
本年度は、本研究で提案している水平磁場印加型ホール効果によって表面に現れる電位の変化(表面ホール電位)の存在をケルビン法により明らかにするための真空チャンバおよび信号検出系、電位自動制御系を含む基礎実験装置の開発を完了し、その性能評価を行った。具体的にはn型、p型シリコンウエハおよびn型SOIウエハを用いて表面ホール電位測定を行い、検出される信号が印加電流に対して線形的に変化すること、多数キャリアの種類(電子もしくはホール)によって、表面ホール電位の符号が反転することを見出した。また、ケルビン法のAuプローブをトランスファーロッドにより真空中で一方向に走査する機構を装置に組み込み、表面ホール電位測定のラインプロファイル測定を行った。その結果、試料内部の電流密度の変化を表面側から可視化できることを示した。これらにより、本研究で提唱している表面ホール電位測定による電子材料内部埋没構造の透視技術の実現可能性を明らかにした。 また、この表面ホール電位をナノスケールの高い空間分解能で計測できる原子間力顕微鏡(AFM)をベースとした試作装置の製作に着手し、カンチレバープローブやその変位検出機構を含めた表面電位計測用試料ステージの設計・製作した。本試作装置においては、試料の水平面内への磁場印加前後でカンチレバー先端が感じる静電気力の変化を検出することによって、AFMが有する空間分解能で表面ホール電位分布を計測することを目指している。磁場の印加/非印加の制御には、これまでの実験と同様に永久磁石の物理的な搬送を用いることを想定しており、その磁気回路の設計を終了した。
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Research Products
(3 results)