2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸化亜鉛薄膜-電極薄膜界面及び酸化鉛薄膜の子欠陥と構造に関する研究
Project/Area Number |
17760032
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
松田 時宜 Kochi University of Technology, 総合研究所, 助教 (30389209)
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Keywords | 酸化亜鉛 / 酸化亜鉛・電極界面 / 格子欠陥 / 粒界 / 透明導電膜 / RFマグネトロンスパッタリング |
Research Abstract |
酸化亜鉛の結晶性は下地となる層によって変わる事は知られている。よりよい結晶性の膜を得るために酸化亜鉛の構造に近い格子定数を持った下地層が用いられる。一方で前年度までの結果より、ITO電極上においてはよい結晶性のスパッタZnO薄膜の形成が困難であることがわかった。本年は、デバイス作成の応用面をにらみつつ、ITO電極上及びSi系アモルファス絶縁膜上でのZnO薄膜の物性評価をXRD、AFM、オージェ電子分光などの装置を用いて行った。その結果、絶縁膜上のZnO薄膜形成については連続膜形成のおこる膜厚は10nm程度であることに変わりはないにも関わらず、酸化亜鉛の結晶性はアモルファスな材料であっても石英ガラス>SiOx>SiOxNy>無アルカリガラス>SiNxの順に酸化亜鉛のXRDによって得られた結晶性が変わるという結果が得られた。この結果を論文として投稿した。 スパッタZnO薄膜は、三価の金属イオンを注入することによって結晶性が向上することを見出し、その注入量依存性、熱による変化について実験を行った。スパッタZnO薄膜は、Al〈Ga〈Inの順でXRDによって得られる結晶性が向上するという結果が得られた。また、その抵抗率はイオン注入量が増加するのにしたがって低下することがわかった。アンドープ酸化亜鉛の抵抗は、熱によって低下することは知られているが、イオン注入を行うことによって熱による抵抗の低下は向上する。以上の結果を国際会議にて発表及び、論文として投稿した。 今後は薄膜の格子欠陥の評価を行っていきたい。
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