2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760033
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
白木 一郎 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノマテリアル研究所, 特別研究員 (10399389)
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Keywords | 走査プローブ顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / 表面・裏面 / ナノ計測技術 / ナノ物質・材料 / 極低温 |
Research Abstract |
超高真空・極低温条件下(絶対温度5K)で原子分解能を持つ、非光学式の原子間力顕微鏡(AFM)を開発し、デモンストレーションを行った。本年度は主に、物質・材料研究機構に既存の原子間力顕微鏡装置を基盤として、装置の要である顕微鏡本体の改良を行った。とりわけ、探針の位置決めアプローチで用いる粗動機構(アクチュエーター)の設計は、装置の機械的安定性を大きく左右する。一般のSTMやAFMに搭載されている慣性駆動型アクチュエーターでは、移動部と固定部の押し付け力を大きくできず、探針由ニットの堅牢さ(rigidity)が不十分である。またピエゾ素子の撓みを移動部の機械動作に変換する効率も良くなく、撓み特性が極端に低下(10分の1程度)する極低温環境ではしばしば問題となる。これらの問題を一気に解決するため、強い押し付けで高いrigidityを有し、極低温動作でも世界的に実績の高い、Pan-type walkerを採用したAFMユニットの開発を行った。並びに、実際に顕微鏡に組み込んで所期性能評価をした。非光学方程式での力検出機構としては、ピエゾ抵抗極低温環境下で原子分解能観察可能かつコンタクトモード(静的モード)への測定モード切替えが可能であるのは、本装置が世界で初めてである。本装置には超高真空その場での加熱・スパッタ処理等が行える機能も備えた。これにより、探針先端や試料について原子レベルでの清浄化処理が可能であり、原子分解能観察を支援している。
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