2005 Fiscal Year Annual Research Report
パラメトリックX線の空間的および時間的均一性に関する研究
Project/Area Number |
17760058
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
早川 恭史 日本大学, 理工学部, 助教授 (40307799)
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Keywords | 単色X線源 / 波長可変 / 加速器 / パラメトリックX線放射 |
Research Abstract |
結晶と相対論的荷電粒子の相互作用によるX線放射現象であるパラメトリックX線放射(PXR)の特性を調べるため、日本大学電子線利用研究施設で開発された2結晶型PXR発生装置からのX線ビームのプロファイルなどを調べた。 PXR発生装置側の第2結晶および大気中にX線ビームを取り出した後の3番目の分光結晶でスキャニングを行い回折曲線の測定をしたところ、その回折幅はPXRの運動学的理論とX線動力学回折の組み合わせによる光線追跡シミュレーションの結果と良く一致し、測定されたX線がPXR起源であることが示された。しかしその反面、X線のビームプロファイル(断面の形状)に関しては、理想的な電子ビームについての計算で得られるドーナツ状にはならずに、均一な分布となる傾向が認められた。様々なエネルギーのPXRビームのプロファイルをイメージングプレート(IP)で測定したところ、6〜7keV程度の低エネルギーではドーナツ状の形状が僅かに認められたが、10keV以上のエネルギーだとほぼ均一なビームとなっていた。これは結晶内部で電子ビームが多重散乱を受けて発散した影響であると示唆されるが、一方でX線の単色性や指向性はほとんど影響を受けていない。この現象を説明することを目指して、従来のシミュレーションコードにマクロ粒子モデルを導入し、電子ビームのエミッタンスの寄与を扱えるようにした。今後、結晶内でビームが発散していく効果を導入していく予定である。 時間的な振る舞いについては、電子ビーム照射の熱負荷に起因する歪の変化による長期変動を観測した。また、20μsのマクロパルス内でのPXR強度の均一性を調べるため、シンチレータなどの測定系の準備を進めた。
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Research Products
(2 results)