2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760062
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
矢橋 牧名 (財)高輝度光科学研究センター, ビームライン・技術部門・輸送チャンネルチーム, 副主幹研究員 (00372144)
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Keywords | X線自由電子レーザー / X線スペクトロメータ / X線超短パルス |
Research Abstract |
SASE型のX線自由電子レーザー(SASE-XFEL)の建設が.SLAC(アメリカ)とSPring-8(日本)で,開始されている.これらは,パルス幅が100フェムト秒を切るような超短パルスかつ超高輝度のX線光源と目され,原子オーダー分解能のシングルショット生体イメージングや,構造変化の超高速時分割計測といった,未踏の研究領域の飛躍的な発展が期待されている.このX線のパルス幅のシングルショット計測は,光源・光学系の性能計測のために必須であり,運転条件の最適化を図るためにも不可欠である.また,短パルス照射実験において,特に非線形現象が関わる場合は,精確なパルス幅の情報が必要となるのは当然である. 本研究では,パルス幅計測のために,高分解能かつシングルショット計測を可能とする,波長分散型のスペクトロメータの開発を行った.本年度は,前年度に行われた高精度ミラーと波長分散用完全結晶を組み合わせたスペクトロメータの実験の追試を行い,その結果を詳細に解析した.また,光子統計の見地から,実際のXFELの光パラメータを用いた場合に,パルス幅のシングルショット計測が可能であることを示した.特に,ノイズの原因となるスペックルを除去するためには,高精度ミラーの形状誤差が重要であることを明らかにした.この結果は,"Physical Review Letters"誌に掲載され,さらに,海外を含む多数の招待講演の中で紹介を行った.
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