2005 Fiscal Year Annual Research Report
保存・散逸性を保つ有限要素スキームの統一的構築に関する研究
Project/Area Number |
17760063
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松尾 宇泰 東京大学, 大学院・情報学環, 講師 (90293670)
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Keywords | 保存・散逸スキーム / 微分方程式の数値解法 / 離散変分法 |
Research Abstract |
研究実績の概要は以下のとおりである. 本研究は,国産の数値手法である「離散変分法」を有限要素法に拡張することを目的としていたが,その中で特に空間1次元の場合について重点的な研究を行い,種々の知見を得た. まず,本来差分法の枠組を用いて定義されていた「離散変分導関数」が素直にGalerkin法の枠組に拡張され,それにより素直な有限要素法版離散変分法が定義されることを,空間1次元のいくつかの標準的問題に対し示した.以降,これを「ナイーブ版有限要素離散変分法」と呼ぶ. しかし離散変分法で対象とする問題には,通常時間2階(以上)の微分項が含まれ,ナイーブ版有限要素離散変分法で構築したスキームでは,1階連続微分可能な基底関数(通称C^l要素)が求められる.一方,有限要素離散変分法では,将来,空間2次元以上の問題を対象とすることが想定されているため,H^l要素でスキームが完結することが極めて望ましい. そこで次に,H^l要素のみで完結する有限要素離散変分法の検討を行った.ここでは,本質的に高階微分を含む変分導関数を諦め,偏導関数とその離散版のみで問題(スキーム)を書き下すことが基本的なアイデアである.これにより,いくつかの標準的な問題に対して,H^l要素の範囲内で離散変分法(最早,「離散偏導関数法」と呼ぶべきものである)が構築可能であることが確認された.
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Research Products
(1 results)