2006 Fiscal Year Annual Research Report
離散最適化技法による行列束のロバスト数値計算とシステム解析への応用
Project/Area Number |
17760065
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩田 覚 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (00263161)
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Keywords | 行列束 / Kronecker標準形 / アルゴリズム / 組合せ緩和法 / 微分代数方程式 / 大規模システム / ロバスト計算 / 組合せ最適化 |
Research Abstract |
行列束のKronecker標準形は,微分代数方程式で記述される動的システムの解析において本質的な役割を果たしている.しかし,標準形の摂動に対する感度が非常に高く,計算誤差の発生しうる数値計算によって正確な標準形を得ることには困難を伴う. 本研究課題では,計算誤差が発生し得ない組合せ的計算を利用することによって数値計算の負担を減らして,できるだけ正確な標準形を安定に計算する手法を確立することを目的としている.従来の研究の結果,Kronecker標準形の構造指数のうち,冪零指数に関しては,2部グラフ上の最大重みマッチングを利用した組合せ緩和法が確立されている.本研究課題は,組合せ緩和法に基づいて行指数・列指数を計算するアルゴリズムの設計と計算機上での実現を目的としている. 本年度は,昨年度に引き続き,組合せ緩和法の設計に取り組んだ.行指数/列指数の組合せ緩和による推定値に関して,MATLAB上で計算機実験を行った.Kronecker標準形の計算ソフトとして,スウェーデンの研究者が開発・公開しているGUPTRIでは正確な値が計算できないような数値例に対しても,零非零パターンから組合せ緩和を用いて得られた推定値が正確な行指数・列指数に一致することを確認した.引き続き,組合せ緩和法の精密化を図る予定である.
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